前回は、中医学の観点から身近で取り入れやすい内容と言うコトで
お伝えしていましたが、、、
今回は、1つの臓器に絞って深掘りします。
取り上げるのは『腎』
どれが一番大事、っと言うコトではないのですが、
『腎』の機能と言うのは、生命エネルギーの貯蔵庫とも言われ、何より
女性特有のお悩みに直結してくる部分なので、あえて取り上げてみました。
やはり、生理痛や不妊・冷え性などで悩まれている方が非常に多い!
はっきりとした原因も解明されていないし、
個々で症状も違うために、同じ女性同士でも理解し合えないコトもあって
人に相談と言うより、愚痴るだけで終わると言うか、、
そんな状態を、当たり前で我慢するしかないと思っている方々に
少しでも症状を緩和して頂けたらと思います。
五行表における『腎』は、こんな感じです。
※横書き文章に、縦の表は見ずらいとご指摘がありましたので、
縦横入れ替えてみました。m(_ _)m
『腎』が生命エネルギーの貯蔵庫と言われる所以は、成長と発育、生殖・排卵や
生理などに深い関係がある器官だからです。
ちなみに、『腎』は単に腎臓を示すワケではなく、生殖器系、ホルモン系、
中枢神経系、造血系などの機能を全般を広く指しています。
同じ配列に「骨」や「耳」がありますよね。
腎機能が衰えると、骨が弱って骨粗鬆症になったり耳が遠くなったりする、、
これってつまりは、老年期の状態なのです(゚д゚lll)
腎機能を正常に維持することは、アンチエイジングに繋がるかもしれません。
腎機能の低下によって慢性病や更年期障害、不妊などに陥る可能性が
高いので、充分に労わってあげて欲しいのです。
では実際に、腎に関わる症状について、お話していきたいのですが、
まずは中医学における症状の診断の仕方から、お伝えして行きますね。
中医学では「病名」をつけて判断するのではなく、
個々の状態を判断して、漢方薬を処方します。
その状態のコトを『証(ショウ)』と呼んでいます。
そして治療方針を決める方法を『八綱弁証(はちこうべんしょう)』と言います。
これは『証』を把握するための8つの基準を表しています。
以前もお伝えしていた虚実と同様に、身体の状態を表すのに『裏表』『寒熱』があります。
「虚」は、体に必要なモノが不足している状態、
「実」は、体に必要なモノが過剰になっている状態を表します。
これらは、相反する意味合いを帯びながらも相互依存しているので、
身体の状態を表す際には、これらの8つの基準がよく出てきます。
簡単に説明すると、
『裏表』…身体のどの部分に症状があるか?の判定。皮膚や筋肉など身体の表面に、
症状が出る場合を『表証』と言い、症状が表に出ずに内臓に不調を起こしてる
場合を『裏証』と言います。
『寒熱』…症状が熱性のか寒性のモノなのか?の判定。冷えによって悪化する症状を『寒証』。
熱を持っているモノを『熱証』と言います。
この『裏表』『寒熱』『虚実』によって、『陰陽』の判定が行われます。
ちなみに『陰陽』の判定とは、全ての分類がバランスよく整っているか、の判定になります。
八綱弁証を、なんとなくでも押さえておくと、字面(じずら)を見たら
症状が分かるような感じがしますよね!
多くのサイトではこの五臓に対して、簡単に『虚』と『実』にて証が表されるコトが多いようです。
肝虚…中医学で言う、消化器系など全般の機能低下によりおこる症状
肝実…中医学で言う、消化器系など全般の機能亢進によりおこる症状
心虚…中医学で言う、循環器系や精神活動など全般の機能低下によりおこる症状
心実…中医学で言う、循環器系や精神活動など全般の機能亢進によりおこる症状
…などのように、Wikipediaにもざっくりと載っています(笑)
『腎虚』『腎実』、『脾』『肺』についても同様です(^^;;)
前置きが長くなってしまいましたが、コレを本題にしたかったのですw
おそらく、次に疑問になってくるのが『腎』に対しての「虚実」。
『腎』にとって、過不足している〝必要なモノ〟ってなんだろう?って所だと思います。
これは腎臓の役割から考えると簡単で、腎臓は精力を作りだし、
余ったエネルギーをためておくのが主なお仕事。
つまり、腎にとって必要なモノとは『エネルギー』に当たります。
その意味合いからも、いろいろな言葉で表現されますが、
中医学では『精』や『気』と表されています。
同じエネルギーでも『精』は生命力、『気』は効率的に使える活動エネルギー、
のようなイメージを持っていただくと分かりやすいかもしれません。
では『腎実』腎のエネルギーが過剰になった場合、どうなるのか?
エネルギーが多い場合、別に悪いコトじゃないような気がしますよね(笑)
実際に『腎』については、陰に寄った器官のため実証は起こりにくいそうです。
何事もないと言うワケではありませんが、身近な話ではないので
あまり取り上げられるコトもないようです。
腎のエネルギーは不足した時に起こる影響の方が多いため、『腎虚』については
じっくりと後編でお話して行こうと思います。
お楽しみに~(^^♪